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分子栄養学とは

分子栄養学の歴史④「分子栄養学実践に求められるサプリメントの品質その1」

分子栄養学(※分子栄養学とは①分子栄養学の歴史①)では、身体の中で本来、問題なく働いているはずの分子(栄養素)がバランスを崩すことによって起きる状態が病気であり、細胞機能が最高の状態で行われるような至適量の栄養素をしっかり補給することによって分子が正常なバランスに戻れば、あるいは分子のバランスが保たれていれば病態はおのずと回復するのではないか、と考えます。それが、ライナス・ポーリング博士(※分子栄養学の歴史①分子栄養学の歴史②)の考え方です。

なぜこの新しい医学のパラダイム、分子栄養学が登場してきたのか、その概念(※分子栄養学の歴史①)と歴史を5回シリーズで紐解いています。(※分子栄養学の歴史②分子栄養学の歴史③)今回(第4回)と次回(第5回)にわたって「分子栄養学実践に求められるサプリメントの品質」についてお届けします。

分子栄養学の理論に則った真の病態改善のために

KYBグループでは、ポーリング博士の理論を正確に理解し、あくまでも、分子栄養学の理論に則った真の病態改善のために、安全性に十分配慮したダイエタリーサプリメント(栄養補助食品。以下サプリメントと記します)とともに忠実に歴史を重ねてまいりました。そしてKYBグループで行う分子栄養学に基づく栄養療法は、一人ひとりができるだけ栄養素の必要性を十分に理解した上で、医師とともに細胞・分子レベル(※分子栄養学とは②分子栄養学とは③)での根本からの病態改善を目指し、生活習慣の改善とともに「今の自分、未来の自分」に本当に必要のある栄養素を主体的に摂取していただくことを優先しています(※自分自身の身体を知ろう:Know Your Bodyがなぜ大切か)。

分子栄養学は未来に寄り添い続けます

分子栄養学では、自分で自分の健康を守るには、なぜ病気になっていくのか、その仕組みを自分の知識として分子レベルで知る必要があると考えています。自分の健康を守り、治療する、病気を予防する、人生を紡いでいく主役はあくまで自分自身だからです(※自分自身の身体を知ろう:Know Your Bodyがなぜ大切か)。

例えば、人は血管とともに老いるとよく言いますが、では、どうして血管が老いていくのか、血管が老いるとはどういうことを指すのか、その原因と仕組み(機序)を知れば、血管が老いないためにはどうしたらいいのか、それが分子栄養学の得意分野であった場合に(※分子栄養学とは⑧)、その理論に基づいた予防対策を考えることができます。その実、血管は細胞でできており、その細胞は分子(※分子栄養学とは②分子栄養学とは③)で構成されています(※分子栄養学とは①)。

分子栄養学では、細胞の働き、病気発症の機序を分子レベルで知ることが、一人ひとりのQOL(生活の質)向上の礎(いしずえ)となり、今と未来の健康と幸福を約束してくれる手段となると考えています。まずは身体のメカニズムを知り、病気にならないように予防していく。すでに動脈硬化が進行しているとしたら、自分の人生を輝いて最期の瞬間まで全う(まっとう)するにはどうしたらいいか。分子栄養学において、血管を守るためのアプローチとしては何が考えられるか。それを最新の科学的な知見、論文とともに考え、学び、医師とともに実践していきます。そして分子栄養学はこれを叶える手段としてこの学問を学び続けようとする方々の未来に寄り添い続けます。

分子栄養学理論を実践していくために

分子栄養学では、理論を現実として実践していくために、食事では得ることのできない栄養素については、品質の良いサプリメントを摂取することによって理想の血中濃度とバランスを目指します。そのため、詳細な血液データに基づく栄養アプローチを推奨し、栄養アプローチによる血液データ値などへの影響を医師がモニタリングしながら行います。(※血液検査の意義①血液検査の意義②血液検査の意義③血液検査の意義④

新しい医療コンセプトの最大のポイント:栄養素の至適量(optimum dose

不足している栄養素を補給することで健康になれるという考えは、もちろん従来からありました。しかし、ポーリング博士の提唱する分子栄養学は、従来の栄養学を超えたまったく新しい医療のコンセプトです。その最大のポイントが、摂取量の考え方です。従来の栄養学では、栄養素は欠乏症が出ない量を摂る、「少しでも摂れば十分効果が出るものだ」とする、補助的な物質と考えられてきました。しかし、分子栄養学では、欠乏症の出ない量ではなく、そのときに必要な至適量という量の摂取を考えます(※分子栄養学の歴史①)。

「至適(optimum)」というのは、最適条件というような意味です。“個々人に最もふさわしいレベル”と考えていただければわかりやすいでしょう。一人ひとり、栄養摂取の至適量は異なります。また、一生不変のものではなく、年齢、環境、ストレス状況などに応じて至適量はどんどん変わっていきます(※分子栄養学とは⑥)。そこで、「そのとき、その人に最適と言えるレベルまで分子濃度を上げていけば、最大限の生体機能がおのずと発揮され、身体が自発的に機能を高めた結果として自然治癒力が働きますよ」というのがポーリング博士のメッセージでした。(※分子栄養学の歴史②

分子栄養学実践のためのサプリメントに求められる品質

そしてそこに求められるサプリメントは、ポーリング博士の提唱した分子栄養学の考え方を実践するのに使える “ツール” としてのサプリメントです。

分子栄養学では、ファッションとして、あるいは当てずっぽうの形で栄養素を摂取するのではなく、生体の自然治癒力が自然と引き出されていく、生体の潜在能力が自然と最高の状態で発揮されていくことを目指し、詳細な血液検査などをモニタリングしながら、医師とともに必要なサプリメントを摂取します。その必要量には個体差(※分子栄養学とは⑥)があって、健康状態や病態によっては推奨量の何倍もの量が求められることもあり、安全性と確実性が備わった品質が求められます。

そこで、分子栄養学では病態改善を目指し、時に栄養素の薬理学的作用(※ビタミン(総論))を目指した血中濃度を目指しながら、生体内の分子の至適濃度を達成するための品質を伴ったサプリメントを用います。KYBグループでは、分子栄養学実践のためのサプリメントには、ポーリング博士の考えを基にした以下の要点が最低限必要であると考えています。

① 入っている栄養素の質と量が消化・吸収を含めて生体内に確実に届くこと
②    クルードであること
③    プレカーサーで摂ること
④    生体に悪影響を及ぼす添加物などが入っていないこと 

の4点です。次回(※分子栄養学の歴史⑤)、この①~④について具体的に考えていきたいと思います。

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