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貧血改善は、分子栄養学的ダイエット成功へのカギ!

「貧血とダイエットが関係あるの⁉」と驚かれる方もいらっしゃると思いますが、実は貧血を治すことは、健康的なダイエット成功のための重要な分子栄養学のカギとなります。今回はその関係について一緒に学んでいきましょう。

健康的なダイエット成功のために欠かせない貧血改善

分子栄養学が目指すダイエット成功、理想の身体づくりの基本のひとつは、基礎代謝量の高い筋肉量を維持するためのエネルギー(ATP)を確保することです(※分子栄養学的ダイエット成功の秘訣!筋肉と基礎代謝量と栄養素のお話)。効率的なATP産生のためには酸素が必要で、その酸素を身体のすみずみまで運んでくれるのが赤血球です。赤血球はミトコンドリアでの効率的なATPを作るための酸素を運ぶトラックの役割をしてくれます。

酸素は赤血球の中のヘモグロビンという分子にくっついて運ばれます。エネルギーは各細胞の中で作られ、効率的なエネルギー工場、ミトコンドリアで行われるエネルギー産生は、酸素があるときにだけ働けます※1

つまり、「貧血=赤血球数、ヘモグロビンが減っている状態(WHOの定義より)」(※血液・尿検査の意義④)は、筋肉を維持するためのATPが減るということを意味します。貧血の状態では、そもそも健康的なダイエット成功のカギ、筋肉量維持のエネルギーをまず確保すること自体が難しくなってしまうということです。

身体の中で酸素を運べなければATP不足となり、疲れやすい、脱力感などパフォーマンス低下につながります。脳も身体全体の約20%のエネルギーを消費するため、ATP不足は集中力や記憶力、心にも影響が出る可能性がある重大な問題です。

貧血に進行する前の血清フェリチン(貯蔵鉄)のチェックなど定期的な血液検査を行いましょう(※栄養素不足による貧血改善対策「貧血再検査セット」のススメ)。腸内環境を整え、赤血球のための栄養素 【タンパク質、ヘム鉄、亜鉛、ビタミンA、ビタミンB群(B6、B12、葉酸)など 】をしっかり摂りましょう。赤血球を守るビタミンC・ビタミンEなどの抗酸化栄養素も一緒に摂ることもお勧めです。

分子栄養学では、貧血は全身のATP不足をまねく万病のもとと考え、鉄欠乏性貧血、潜在性鉄欠乏状態などを予防医療、健康自主管理の主軸として重要視しています。貧血の症状としては、めまい、頭痛、耳鳴り、疲労感、倦怠感のほか、心臓の負担にもなり、息切れ、動悸、頻脈などが起こります。貧血が及ぼす影響についてより詳しくは ※貧血:赤血球・ヘモグロビン不足はATP・エネルギー不足を招く分子栄養学の重大問題 をご覧ください。健康的なダイエットを成功させ、春をより楽しく過ごすために、まずは貧血を治しましょう。

CoQ10は加齢とともに体内で作られる量が減る

CoQ10は体内で合成されますが、加齢によってその合成量が減ってしまうことが報告されています※2、※3

分子栄養学(※分子栄養学とは①※分子栄養学の歴史①)では、分子栄養学実践のための良質なサプリメント(※「分子栄養学実践に求められるサプリメントの品質その1」※「分子栄養学実践に求められるサプリメントの品質その2」)も活用しながら、個体差(※分子栄養学とは⑥)に合った至適量の栄養素で効率的にエネルギーを作り、春の毎日を健康に楽しむ基礎代謝量の高い身体づくりを目指します。酸素がある際の全身のエネルギー作りに必要な栄養素や、ATPとは何かについては、詳しくは※エネルギーをつくるための必須栄養素「マグネシウム、ビタミンB群、CoQ10、鉄」をご覧ください。

新年度の始まりに、分子栄養学で貧血を治して自分の理想の身体づくりを

新年度の始まりに、分子栄養学で一緒に自分の理想の身体づくりを始めませんか。そのためにも、分子栄養学では、まずは詳細な血液検査で今の自分の状態を知ることから始めます。(※血液検査の意義①②③④

同じ「ひとり」の中でも、その時置かれた環境、病気の時と健やかな時、ストレスの状態、体調、口腔内環境、腸内細菌叢のバランスまで全く違う可能性があります。分子栄養学は、「ひとり」と「ひとり」の間の個体差だけではなく、その一歩先の、「自分の中の個体差」を医師とともに読み解くことにより、より深い要因に向かってアプローチしていきます(※分子栄養学とは⑥)。

2024年度の新たな幕開け。ぜひ、皆さんの健康を支える1ページに、分子栄養学をともに学び、自分の目指す健康の成功のカギとなる “個体差” を、詳細な血液検査とともに読み解いていきませんか。人生の1ページに分子栄養学的アプローチを仲間にして、まずは血液検査を受けることから始め、健康的なダイエットの成功を一緒に目指してみませんか。

※1 ミトコンドリア内で行われるエネルギー代謝経路「クエン酸(TCA)回路、電子伝達系」の2つは、酸素がないとストップしてしまいます。実際に酸素を使う代謝経路は電子伝達系ですが、酸素が足りないとクエン酸回路も止まってしまい、効率的なエネルギー産生経路が全体的にストップしてしまいます。(参考資料:三上貴浩.『コアカリ準拠 Dr.ミカミの動画で学ぶ基礎医学-生命科学編』.医学書院.p220. (2021) )

※2 菅野直之.「ミニレビュー コエンザイム Q10」.日歯周誌, 59(2):63-67.(2017)

※3  Kalén A.,et al. Age-related changes in the lipid compositions of rat and human tissues. Lipids ,24:579-584. (1989)

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