The Orthomolecular Times

2025.2.17 分子栄養学と腸内環境「短鎖脂肪酸とは? 基礎をわかりやすく解説」

分子栄養学とは

分子栄養学と栄養素「分子栄養学におけるヘルシーエイジングの基礎:代謝=異化×同化」

新年明けましておめでとうございます。

今年も皆さまの健康管理に役立てられる情報をご紹介いたします。分子栄養学タイムズを本年もどうぞよろしくお願いいたします。

分子栄養学は、個体差に合った至適量の栄養素摂取によってヘルシーエイジングを目指します。

今回は分子栄養学における最も重要な基礎となる考え方、代謝「異化=同化」について一緒に考えましょう。

分子栄養学(分子整合栄養学:Orthomolecular Nutrition)とは

分子栄養学は、栄養素が分子レベルで生体機能にどのように関わるかを探究する学問です。

分子栄養学は、個々の健康増進、オプティマムヘルス(optimum health)の実現を目指します。オプティマムヘルスとは、心身ともに最高・最善の健康状態のことです。

分子栄養学は身体を構成する数十兆個の細胞1つひとつが必要とする栄養素の最適な量、適切なバランスを整えることによって、健康が維持増進できることを第一に考えます。

そしてその際、重要なキーワードのひとつとなるのが

・代謝における「異化=同化」
・至適量(optimum dose)の栄養素

です。

今回はこの2つのキーワードのうち、代謝における「異化=同化」について一緒に考えましょう。

分子栄養学が目指す健康とは

私たちの身体において、“生きていると認められるいちばん小さな単位” である細胞。私たちの身体は、数十兆個の細胞でできています。

細胞が正常に働くために必要なのが栄養素(分子)です。細胞自体もタンパク質や脂質などの分子でできており、細胞を構成する分子が適切な量・適切なバランスで体内に存在してはじめて細胞は正常に働くことができます。

細胞を構成する分子は一見ほぼ変化がないように見えますが、実は多くの分子が
・合成

・分解
を繰り返して絶えず入れ替わるということをしています。これを代謝回転(metabolic turnover)といいます。

生きるということそれ自体が、その生物を構成する分子が壊され(異化)、新しく作り変えられる(同化)という現象です。生きることそのものが、代謝(metabolism)という化学反応でできています。

代謝はヒトを構成する何十兆個もの細胞のあらゆるところで営まれ、大きな違いのある2つの反応、「異化(catabolism)」と「同化(anabolism)」に分けて考えられます。(※代謝=異化×同化

代謝、つまり異化と同化がスムーズにバランス良く行われるかどうかは、人の成長にも関わります。赤ちゃんが日々成長していくのは、

・異化<同化

つまり同化が異化を上回っている状態です。赤ちゃんは、分子が壊されるよりも新しく作られる方が多い結果、すくすくと身体が大きくなっていきます。

赤ちゃんでもご高齢の方でも地球上に存在する生物はすべて、いつも自分の中の環境を生きるのに最適な状態に保とうします。そして私たちの身体、脳を含めた器官や細胞の中身は、生きているうちは常に新しいものに作り替え同じかたちを保とうとします。

その新しいものに作り替える「同化」の際に、良い栄養素を材料として十分に供給していきましょう、というのが分子栄養学の基礎となる考え方です。

分子栄養学におけるヘルシーエイジングの基礎「異化=同化」

分子栄養学では、

・異化=同化

を保つこと、これがヘルシーエイジングの基盤となるのでは、と考えます。

良い栄養素を毎日しっかり摂り、まずはそれを吸収する。

分子レベルで入れ替わる良い材料を十分な量得て、それを身体のすみずみまで供給することが、生体内での代謝(異化・同化反応)をバランス良く促進することの基礎となると考えています。そしてこのことが、自分の人生を心も身体も豊かに過ごすための健康づくりの、最も重要な基礎のひとつであると考えています。

一般的な栄養学が「栄養素の欠乏を防ぐことによって可能となる病気などのリスク回避」を重要視するのに対し、分子栄養学では「細胞レベルで心身ともに最高かつ最善の健康状態を目指す」のが特徴です。(※一般の栄養学と分子栄養学の違い

代謝の異化=同化を目指し、その人にとって必要な栄養素をその人にとっての至適量でバランスよく摂取することは、

・健康の維持増進

に貢献するのではないか。

分子栄養学は、ヒトが120歳まで健康で生きる可能性の鍵となると考えています。

今回のまとめ

私たちの身体は、数十兆個の細胞でできています。

私たちが健康に生きるために、細胞にとって必要なのが栄養素(分子)です。

細胞を構成する分子は一見ほぼ変化がないように見えますが、実は多くの分子が合成(同化)と分解(異化)を繰り返し絶えず入れ替わるということをしています。

分子栄養学では

・まず詳細な血液検査・腸内環境検査などで、今の自分の状態を「可視化」する
・分子レベルで入れ替わる良い材料を十分な量得る
・それを吸収し、身体のすみずみまで供給する
・そして代謝において「異化=同化」を目指す

このことが、健康の維持増進にとって最も重要な基礎のひとつであると考えています。

分子栄養学で私たちの身体の成り立ちを医師とともに勉強し、自分の人生を叶える手段としての健康を目指しましょう。

※血液検査でわかる!あなたの健康状態
※あなたの腸は大丈夫? リーキーガット症候群(理論編②)

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