【研究センターレポート】食物繊維と血糖値の関係
食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにするといわれています。
今回研究センターでは、食物繊維が配合されているケンビックス製品 ネオ バイオファイバー Sの摂取による血糖値変動のモニター試験を行いました。
摂取なし期間と摂取あり期間では、どのような変化が生じたのでしょうか?
一緒に見ていきましょう。
食物繊維について
食物繊維とは、人間の消化酵素によって消化されにくい「難消化性成分」の総称です。食物繊維は、腸の働きを促進して便通習慣を改善するほか、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにする、糖質の吸収を穏やかにして血糖値急上昇を抑えるなどの働きがあります。この生体調整機能が注目され近年は「第6の栄養素」と呼ばれることもあります。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
それぞれの特長はこちら
これらの特長の違いが、生体調整機能に影響しています。
水溶性食物繊維は、水にとけると粘性のあるゼリー状になり、胃の内容物を包み込んで小腸での吸収を遅らせますし、不溶性食物繊維は、水を含んで膨らみ、かさが増すことで満腹感を感じやすくなります。
今回のモニター試験で着目したのは、水溶性食物繊維の働き。
粘性のあるゼリー状に変化した食物繊維が、糖質を包み込み、胃から小腸への移動をゆっくりさせることが、血糖値の変動にどのように影響するのかです。
ネオ バイオファイバー S 製品紹介
今回のモニター試験で使用したのは、こちらの製品
モニター試験結果報告
では、早速、モニター試験結果を見ていきましょう。
モニター試験を行った方をご紹介します。
これまで、特に大きな病気をしたことがない方です。
KYBグループが推奨する血液検査項目K01を毎年行っていますが、気になる点もなく、健康に過ごしています。強いて言うなら、お酒を飲むのが大好きなため、肝臓関連の項目の上昇がみられる年があることです。
今回のモニター試験の期間は、
【1】ネオ バイオファイバー Sの摂取なし期間が2週間
【2】摂取あり期間が2週間
合計4週間です。
それぞれ、期間終了後の血液検査と期間内の持続グルコース濃度測定を行い、結果を検証しました。
・血液検査項目
K01より 血糖 BS、HBA1c
糖尿病オプション検査項目K02よりCPR、1.5-AG
合計 4項目
・持続グルコース濃度測定
装着したのは、こちら
【1】摂取なし期間の結果報告
血液検査の結果から見てみましょう。 摂取なし期間中の血糖関連項目と、これまでの結果はこちらになります。
いずれも問題なく、KYBメディカルサービスによる栄養レポートの判定もAでした。また、CPRと1.5-AGの結果についても問題のない結果で、インスリン分泌量は正常、食後高血糖状態や耐糖能異常もなしという評価になります。
続きまして、持続グルコース濃度測定結果がこちらになります。
AGP(Ambulatory Glucose Profile)とは、連続して測定・記録された血糖値を 集約し、その傾向を視覚的に把握しやすくしてくれる解析方法 *1)
上記の結果は、連続した血糖値変動の傾向をグラフ化したものです。お昼ごはん後に、かなりの確率で高血糖値が計測されていることがわかります。
日別で確認するとこのような結果です。
赤枠で囲っている部分、2週間のうち7日間、特に平日のお昼ごはん後にこの状態になっています。血糖値が急上昇した後に急降下する、血糖値スパイクの状態です。
≪血糖値スパイクとは≫
食後の血糖値が急上昇と急降下を起こすことを指します。
急上昇した血糖値を下げるために、インスリンが大量に分泌され、急激に低下します。このような血糖値の急激な変化は、さまざまなリスクを生じさせます。
摂取なし期間中のある1日の食事内容はこちらです。
食事内容として、全体的に野菜は少ないように感じる内容ですが、血糖値が急上昇するような内容ではないと見受けられます。
また、常日頃から食事をする際は、
・食べる順番を、気を付ける(野菜→肉や魚などのタンパク質→ご飯などの糖質)
・よく噛む
・早食いをしない
これらを意識し、血糖値を上昇させない食べ方を心掛けていました。
しかしながら、今回の摂取なし期間中の結果として、血糖値スパイクの状態になっていることがわかりました。
【2】 摂取あり期間の結果報告
次に、ネオ バイオファイバー Sの摂取あり期間についてです。摂取する際は、以下の2点に注意して摂取してもらいました。
①食事の30分前に
②180mL程度のお水と一緒に
そして、ネオ バイオファイバー Sの摂取と血糖値の変動の検証を行うため、生活パターンや食事内容については、摂取なし期間と同様レベルとしています。
ある1日の食事と血糖値変動はこちらです。
この日のお昼ごはんは、麺料理でしたが、ご覧の通り血糖値の上昇は緩やかになっていることがわかります。
日別の状況はこちらです。
約2週間のうち3日ほど、お昼ごはん後に高血糖状態になっている日がありますが、全体として、急上昇、急降下している頻度が少なくなっています。
次に、2週間全体の連続した血糖値変動の傾向を、摂取なし期間と比較した状態で見てみましょう。
摂取あり期間は、明らかに血糖値の上昇が緩やかになっていることがわかります。日によるバラつきも小さくなっています。
以上より、ネオ バイオファイバー S の摂取は、血糖値の上昇を緩やかにし、血糖値変動のバラつきも少なくする可能性があると結論づけられます。
*血糖値の上昇には、自律神経やホルモン、体調など、さまざまな要因が関わります。結果には個人差があります。
ネオ バイオファイバー S摂取のポイント
ポイントは2つ
①食事の30分程度前に摂取すること
②180mL程度のたっぷりとしたお水と一緒に摂取すること
なぜ、このポイントが重要なのでしょうか。
冒頭でご説明しましたとおり、特長である「水溶性食物繊維は水に溶けて粘性のあるゼリー状になる」ことが影響しています。
簡単な実験をしてみましたので、一緒に見てみましょう。
(実験紹介)
実験内容は、180mLの水の中に、ネオ バイオファイバーSを1包入れて、途中途中で攪拌を行いながら、10分後、20分後、30分後で、どのように変化するかを観察しました。
30分後の状態では、上澄み液がより白く濁り、水溶性食物繊維が溶けて粘性のある液体(ゼリー状までは変化していませんでした)に変化していました。
胃の中で、この状態になることで、糖が包みこまれ、胃から小腸への移動を遅らせ、さらに小腸からの吸収を緩やかするというメカニズムになります。
さらに、上記写真からは、不溶性食物繊維が膨張していることもわかります。不溶性食物繊維は、便かさを増やすために重要ですが、水分が含まれていない状態の不溶性食物繊維は、便を硬くし逆に便秘の状態を招く恐れがあります。これを避けるためにも、ネオ バイオファイバー Sは、180mL程度のお水で摂取することが重要になります。
血糖値を上昇させない食事のポイント
今回のモニター試験で、ネオ バイオファイバー S摂取あり期間中のお昼ごはんで血糖値が急上昇している日がありました。
その時の血糖変動と食事内容がこちらです。
この日のお昼ごはんは、ごはんとクリームシチューで、噛み応えのある食材が少なく、つるつるっと食べてしまう食事内容でした。
よく噛んで食べることは、インスリン分泌に影響を与え、咀嚼が十分でないと食後のインスリン分泌反応が弱まることが示唆されています*2。
咀嚼が少ないなどの要素で、ネオ バイオファイバー Sの摂取だけでは、血糖値の上昇を緩やかにするサポートができない場合があることにも注意が必要です。
まとめ
今回のモニター試験の結果では、ネオ バイオファイバー Sの食事30分前の摂取は、食後の血糖値の上昇を緩やかにする可能性があると結論づけられました。
ネオ バイオファイバー Sが、食後の血糖値の上昇を緩やかにするアイテムの1つにお役立ていただければ幸いです。
*本モニター試験により、ネオ バイオファイバー Sが血糖値の上昇を緩やかにするサポートをする可能性が示されました。ただし、この結果は治療目的での使用を推奨、または支持するものではありません。当社は薬機法、食品表示法、景品表示法を遵守し、製品の安全性と適正な情報提供に努めています。本試験結果はあくまで予備的なものであり、本製品が疾病の診断、治療、治癒または予防に使用できることを示唆または保証するものではありません。本製品の利用にあたっては、それが健康補助食品であることを理解し、医師や専門家と相談の上、適切に使用することをお勧めします。
上西和弘.,他. 健やかな毎日のための栄養大全. NHK出版. 2022. 薗田憲司. “血糖値”を制して脂肪を落とす!. 株式会社Gakken. 2023. *1 https://www.myfreestyle.jp/patient/blood-glucose/agp.html *2橋本和佳.他.,日本咀嚼学会雑誌.2004.14巻.1号.