The Orthomolecular Times

2024.12.9 分子栄養学の栄養素「ビタミンCと免疫」

食事

分子栄養学の食事「亜鉛を多く含む食品」

亜鉛を多く含む食品には、どんなものがあるでしょう。
毎日の食事で摂る必要のある分子栄養学の重要な微量ミネラル、亜鉛(Zn)[ zinc ] 。

今回は亜鉛を多く含む代表的な食品
【魚介類、肉類、卵類・乳類、大豆製品・ナッツ類・野菜類】の中で
・大人が食べる1食分の食品
にどのくらいの亜鉛が含まれているかを見ていきましょう。またそれぞれの食品に、微量ミネラル(銅、マンガン、セレン)がどのくらい含まれているかも一緒に見ていきます。

自分の目的に応じた、分子栄養学的なミネラル補給にお役立てください。

①魚介類の亜鉛・銅・マンガン・セレン含有量※1

食品1食分(g)亜鉛(mg)銅(mg)マンガン(mg)セレン(μg)
牡蠣(養殖、生)小3個(48g)6.70.500.1922
たらばがに(ゆで)足大2本(可食部90g)3.80.370.0432
うなぎ(かば焼き)中1/2尾(80g)2.20.0634
さば(マサバ、生)切り身大(100g)1.10.120.0170
あさり(缶詰、水煮)1/2缶(あさりの身 25g)0.90.070.31
タコ(みずだこ、生)刺身1人前(50g)0.80.320.0223
さんま(皮つき、生)中1匹(可食部100g)0.80.120.0232
イカ(剣先イカ、生)刺身1人前(60g)0.80.100.01
ほたてがい(刺身用、貝柱、生)中2個(40g)0.60.010.017
秋鮭(白鮭、天然、生)切り身大(80g)0.40.060.0125

②肉類の亜鉛・銅・マンガン・セレン含有量※1

食品1食分(g)亜鉛(mg)銅(mg)マンガン(mg)セレン(μg)
牛サーロイン(赤肉、生)ステーキ1枚(小120g)4.70.100
牛ヒレ(赤肉、生)ステーキ1枚(小120g)3.40.130.02
豚もも(赤肉、生)薄切り(100g)2.30.070.01
豚ロース(赤肉、生)ステーキ1枚(100g)2.00.050.0127
豚ばら(脂身つき、生)薄切り(大)3~4枚(100g)1.60.040.01
鶏もも肉(皮つき、生)中1/2枚(100g)1.60.040.0117
鶏むね肉(皮なし、生)中1/2枚(100g)0.70.020.0217
鶏むね肉(皮つき、生)中1/2枚(100g)0.60.030.0117

③卵類・乳類の亜鉛・銅・マンガン・セレン含有量※1

食品1食分(g)亜鉛(mg)銅(mg)マンガン(mg)セレン(μg)
鶏卵(卵黄、生)1個(20g)0.70.030.029
鶏卵(全卵、生)1個(55g)0.60.030.0113
カマンベールチーズ小1カット(15g)0.40.000.002
ヨーグルト(全脂無糖)1食分(100g)0.40.01Tr3

④大豆製品・ナッツ類・野菜類の亜鉛・銅・マンガン・セレン含有量※1

食品1食分(g)亜鉛(mg)銅(mg)マンガン(mg)セレン(μg)
カシューナッツ10粒(15g)0.80.284
焼き豆腐1/3丁(100g)0.80.160.60
凍り豆腐(乾)1個(16g)0.80.090.693
糸引き納豆1パック(40g)0.80.246
枝豆(ゆで)30さや分(可食部50g)0.70.180.37
木綿豆腐1人前(100g)0.60.160.414
絹ごし豆腐1人前(100g)0.50.160.341
くるみ(煎り)5粒(15g)0.40.180.52
アーモンド(乾燥)10粒(10g)0.40.120.25
そらまめ(ゆで)普通の粒5粒(可食部20g)0.40.070.08

亜鉛は毎日しっかり補給する必要のある微量ミネラル

ミネラルは身体で作れないため、必ず食事として摂る必要のある5大栄養素のひとつです。亜鉛は微量ミネラルのひとつで、300以上の酵素反応の補因子として働くといわれます※2

例えば、抗酸化酵素SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)は補因子として亜鉛と銅、マンガンを必要とするものがあります。(※皮ふ(肌)の抗酸化栄養素①「抗酸化酵素と鉄、亜鉛、マンガン、セレン、ビタミンB2」

亜鉛は
・健全な子どもの成長※3
・健康な皮ふ※4
・免疫システム※5
・糖代謝※6
など多くの健康に関わると考えられている重要なミネラルです。

人の身体は亜鉛を貯蓄するようにはできていないため、不適切な食事によって欠乏症が急に起こる可能性があるといわれます※5

また今回一緒に見た微量ミネラル(セレン)は、抗酸化酵素GPX(グルタチオンペルオキシダーゼ)の重要な補因子となります。(※皮ふ(肌)の抗酸化栄養素①「抗酸化酵素と鉄、亜鉛、マンガン、セレン、ビタミンB2」

分子栄養学では詳細な血液検査による医師のモニタリングのもと、至適量の亜鉛など微量ミネラルの補給を目指します。ぜひ毎日の食事で賢く良い食品を選び、分子栄養学に基づく栄養アプローチをさらに効果的なものにしていきましょう。

※1 各食品の栄養素含有量は『日本食品標準成分表2020年版(八訂)準拠.食品成分表2022(女子栄養大学出版部)』より、下記のように算出しています。
・亜鉛(mg):小数第二位を四捨五入
・銅(mg)・マンガン(mg):小数第三位を四捨五入
・セレン(μg):小数第一位を四捨五入

※2 日本食品免疫学会(編)『食品免疫学事典』(朝倉書店、2021年)334ページ

※3 Krebs, NF.,et al. (2014). Zinc deficiency in infants and children: a review of its complex and synergistic interactions. Paediatrics and International Child Health, 34(4), 279–288.

※4 Ogawa, Y.,et al. (2018). Zinc and Skin Disorders. Nutrients, 10(2), 199.

※5 Skrajnowska, D.,et al. (2019). Role of Zinc in Immune System and Anti-Cancer Defense. Nutrients, 11(10), 2273.

※6 Tamura, Y. (2021). The Role of Zinc Homeostasis in the Prevention of Diabetes Mellitus and Cardiovascular Diseases. Journal of Atherosclerosis and Thrombosis, 28(11), 1109–1122.

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