尿検査からわかること
尿検査は、尿の中に本来出ないはずの成分(タンパク質や糖など)が出ていないかなどを調べることで、さまざまな病気やその兆しを知ることができる検査です。腎臓・膀胱・尿管・尿道などの尿の通り道の障害、代謝異常はないかなどを確認します。
尿(urine)とは何か
私たちは普段、尿のことをおしっこ、小便、お小水(しょうすい)ともいいます。
尿とは、もともと何でできているかご存じですか?
正解は、血液です。色は赤くありませんが、実は血液をろ過したものがおしっこです。
血液は、栄養素やホルモンなど、身体にとって必要なものを運び、必要なところに送り届けてくれています。それとともに、全身で行われている代謝(※分子栄養学とは⑤)で出た要らない代謝産物(老廃物や有害な物質など)も運んでくれています。血液は全身をめぐるので、要らないものがぐるぐる全身をまわっていては、身体にとって良くありません。そこで、全身をめぐる血液は、腎臓という臓器でいったん立ち寄って、身体に必要なものはしっかりと拾い(再吸収)、要らないものを尿として捨てるということをしてくれています。
おしっこは、血液をろ過したものなので、血液と同じで、その中身は健康の状態やその時の生活などによって変化します。尿検査もまた、血液検査とともに私たちの健康状態を知らせてくれる大切なバロメーターのひとつです。
尿を自分でチェックすると、その目安とするのは色や回数、量、においなどです。これも大切なことですが、自分の目で見てわかる情報は限られています。病気によっては、おしっこの見た目は何も変わらないこともありますので、その成分をしっかりと調べるのが尿検査の役割です。尿検査では、ひどい病気になってしまう前に、身体の中で起こる小さな変化を知らせてくれます。それが、病気の早期発見へと導いてくれます。
尿の中にタンパク質が出る時(尿タンパク質)は腎臓の病気など、血の反応が出る時(尿潜血反応)は腎臓・膀胱・尿管・尿道などの尿の通り道のいずれかに損傷・出血などが疑われます。また、尿糖は糖尿病など、尿ウロビリノーゲンは肝臓の病気などの可能性が疑われます。
尿検査は大切な健康の指標です。
ある日突然・・・とならないように、血液検査とともにしっかりと検査をし、自分の健康を守っていきましょう。
尿検査項目:尿タンパク質、尿糖、尿ウロビリノーゲン、尿ビリルビン、尿比重、尿pH、尿ケトン体、尿潜血反応、尿沈渣など