分子栄養学の食事「食品中のオメガ3(n-3系)脂肪酸、オメガ6(n-6系)脂肪酸」野菜・きのこ・海藻 編
今回の記事では、普段食べている食品(野菜・きのこ・海藻類)の1食分にどのくらいのオメガ3(n-3系)脂肪酸、オメガ6(n-6系)脂肪酸が含まれているかがわかります※1。ぜひ毎日の健康的な分子栄養学の食事に、オメガ6脂肪酸の量の適正化、オメガ3脂肪酸の十分な摂取にお役立てください。
【野菜・きのこ・海藻】の1食分に含まれるオメガ3(n-3系)脂肪酸、オメガ6(n-6系)脂肪酸の量
この記事では、オメガ3脂肪酸としてα-リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、オメガ6脂肪酸としてリノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸を扱っています。(※表中の「Tr」は、「微量」を意味しています。食品中にその成分が含まれてはいるが、最小記載量に達していないことを示しています。)
① 野菜類に含まれるオメガ3(n-3系)脂肪酸、オメガ6(n-6系)脂肪酸の量
オメガ3(n-3系)脂肪酸 | オメガ6(n-6系)脂肪酸 | ||||||
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食品 | 1食分(g) | α-リノレン酸(mg) | EPA(mg) | DHA(mg) | リノール酸(mg) | γ-リノレン酸(mg) | アラキドン酸(mg) |
枝豆(ゆで) | 15さや分(可食部、25g) | 135 | 0 | 0 | 575 | 0 | 0 |
大豆もやし(ゆで) | 1/2 袋(100g) | 130 | 0 | - | 640 | - | 0 |
ブロッコリー(ゆで) | 小房3つ分(45g) | 27 | 0 | 0 | 12 | 0 | 0 |
大根(根、皮つき、生) | おでんの大きさ(100g) | 18 | 0 | - | 6 | - | 0 |
とうもろこし(ゆで) | 中1/2本(可食部80g) | 13 | 0 | - | 424 | - | 0 |
緑豆もやし(ゆで) | 1/2 袋(100g) | 10 | 0 | - | 26 | - | 0 |
キャベツ(生) | コンビニせん切り 1/2袋(75g) | 7 | 0 | - | 10 | - | 0 |
アスパラガス(ゆで) | 小2本(30g) | 4 | 0 | 0 | 11 | - | 0 |
小松菜(ゆで) | お浸し1皿(60g) | 3 | 0 | - | 17 | - | 0 |
にんじん(皮つき、ゆで) | 小1/3本(30g) | 3 | 0 | - | 22 | - | 0 |
赤色ミニトマト | 小3個(30g) | 1 | 0 | - | 7 | - | 0 |
オクラ(生) | 4本(40g) | 0 | 0 | 0 | 11 | - | 0 |
② きのこ類に含まれるオメガ3(n-3系)脂肪酸、オメガ6(n-6系)脂肪酸の量
オメガ3(n-3系)脂肪酸 | オメガ6(n-6系)脂肪酸 | ||||||
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食品 | 1食分(g) | α-リノレン酸(mg) | EPA(mg) | DHA(mg) | リノール酸(mg) | γ-リノレン酸(mg) | アラキドン酸(mg) |
まいたけ | 1/2 パック(50g) | 1 | 0 | 0 | 70 | 0 | 0 |
なめこ | 1/4 袋(25g) | 0 | 0 | 0 | 18 | 0 | 0 |
ぶなしめじ | 1/4 袋(25g) | 0 | 0 | 0 | 38 | 0 | 0 |
③ 海藻類に含まれるオメガ3(n-3系)脂肪酸、オメガ6(n-6系)脂肪酸の量
オメガ3(n-3系)脂肪酸 | オメガ6(n-6系)脂肪酸 | ||||||
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食品 | 1食分(g) | α-リノレン酸(mg) | EPA(mg) | DHA(mg) | リノール酸(mg) | γ-リノレン酸(mg) | アラキドン酸(mg) |
焼き海苔 | 1/2枚(1.5g ) | 0 | 18 | - | 1 | - | 2 |
めかぶ | 1食分(50g) | 2 | 8 | 0 | 17 | 3 | 20 |
もずく | 1食分(50g) | 2 | 2 | 0 | 3 | 0 | 3 |
とろろ昆布 | お吸い物1杯分(5g) | 0 | 0 | - | 1 | 0 | 1 |
乾燥わかめ | みそ汁1杯分(多め、2g) | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 0 |
良いあぶらを選んで抗炎症対策:適正なオメガ6脂肪酸の量、至適量のオメガ3脂肪酸の量のススメ
分子栄養学の重要な5大栄養素、脂質(※食事の基本、※5大栄養素(概論))。脂質を構成する栄養素、脂肪酸は、オメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸の比の是正によるさまざまな病気を予防する抗炎症効果が期待されています。(※EPA・DHAの効果を上げる:分子栄養学的に考える適切なオメガ6(n-6系)量とは?、※分子栄養学的な抗炎症対策には毎日のEPA・DHA摂取を!、※全身の分子栄養学的抗炎症のカギを握るオメガ3(n-3系)脂肪酸)ぜひ毎日の食事で賢く良い脂質を選び、分子栄養学に基づく栄養アプローチをさらに効果的なものにしていきましょう。
さまざまな食品のオメガ3・オメガ6含有量を比べることで、なぜ魚介類、あまに油、えごま油が勧められるかがわかる
※分子栄養学の食事「食品中のオメガ3(n-3系)脂肪酸、オメガ6(n-6系)脂肪酸」魚介類・肉・卵・油脂類 編、※種実類・豆類・乳類 編、※穀類・いも・果実 編では、それぞれの記事の中で、普段口にする1食分の食品(魚介類、肉、卵、油脂類、種実類、豆類、乳類、野菜、果実、きのこ、海草類)にどのくらいのオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸が含まれているかが掲載されています。
そしてそれらを総合してみると、オメガ6脂肪酸の量を適正にし、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸、EPA、DHA)の比率を上げるには、オメガ6脂肪酸の多い植物油を控え、青魚などの魚介類、あまに油、えごま油などオメガ3脂肪酸をたっぷり含んだ食品を積極的に摂る必要があることがわかります。ぜひ毎日の食卓の確認にお役立てください。
※1 日本食品標準成分表2020年版(八訂)脂肪酸成分表編より、小数第一位を四捨五入して算出。