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2024.12.16 分子栄養学と免疫の栄養素「自然免疫:好中球の働きとビタミンC」

食事

夏こそタンパク質!夏野菜たっぷり冷しゃぶ&枝豆の簡単フライパン蒸し

太陽が眩しい暑い夏。食欲が落ち、ついついつるり、素麺、冷や麦、蕎麦などで食事を済ませていませんか?暑いときこそタンパク質を多く含む食事をしっかり食べて、元気に夏を楽しみたいですね。何といっても、タンパク質は身体の柱。(※必ず摂る必要がある必須栄養素「タンパク質」

私たちの髪の毛、肌、爪も、タンパク質でできています。強い骨をつくるのもタンパク質の仕事です。酵素(※分子栄養学とは⑦-1※分子栄養学とは⑦-2※分子栄養学とは7-③)、免疫もタンパク質が主役になっています(※感染と免疫の仕組みを知ろう「感染と免疫の基本」※免疫を司る白血球「白血球の仲間たちの基礎」)。私たちの身体の機能を十分に発揮していくために、タンパク質は生命の源、最も重要な栄養素のひとつです(※5大栄養素(概論))。

タンパク質は、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれます(※食事の基本)。今回は、旬の食材、夏野菜とタンパク質をテーマに、「夏野菜たっぷり冷しゃぶ」と、「枝豆の簡単フライパン蒸し」のレシピをお届けします。

夏野菜たっぷり冷しゃぶ

しっとり仕上がった豚しゃぶを、たっぷりの夏野菜、爽やかな香味野菜と一緒にいただきます。夏野菜は、汗で出てしまうカリウム(※分子栄養学の得意分野における尿失禁対策③)や水分、食物繊維の補給にもばっちりの食材です。

<用意する調理器具など>

包丁、まな板、ボウル、フタ付きフライパン、計量スプーン(大さじ、小さじ)

<材料:1人分>

豚肉(しゃぶしゃぶ用、もしくはモモ切り落としなど薄いもの)120g、なす中1本、オクラ3~4本、きゅうり1/2本、トマト中1/3個、生姜1かけ、みょうが1個、大葉3~4枚、ポン酢、塩(分量はレシピ参照)、酒 大さじ1.5

<作り方>

野菜を準備します。

①なすはヘタを落とし、縦に2つに割ったものを2~3㎜ほどの斜め薄切りにします。
②ボウルに①を入れ、塩小さじ1/3弱をふり入れ、もみ込みます。
③20~30分おいて、なすがしんなりしてきたら、手でしぼって水気を切ります。(塩分が気になる場合は、軽く水にさらしてからしぼってください。)

④きゅうりは3~5㎜ほどの斜め切りにします。
⑤トマトは食べやすい大きさに切ります。
⑥オクラは、うぶ毛を取るように流水でこすり洗いをし、ヘタの先っぽの茎(茶色く乾いている部分)を少し切り落とします。
⑦小さめのフライパンに大さじ3の水を沸かし、オクラを入れ、フタをして1分ほど蒸し茹でします。全面鮮やかな緑色になったらザルにとり、扇風機やうちわで急速に冷まします。
⑧生姜1かけ、みょうが1個、大葉3~4枚を細いせん切りにします。

豚肉を茹でます。

①フライパンに水を300cc、酒大さじ1.5、塩小さじ 1/2を入れ、沸騰させます。
②お湯が沸騰したら①に豚肉を広げて入れ、色がしっかり変わって白くなったら裏返します。
③赤身の色が完全になくなったら、お皿にとってうちわなどで冷まし、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やします※1。茹で上がった後は、水に漬けて冷やすと旨味が逃げてしまいます。

盛り付けます。

①皿に豚肉と野菜をバランスよく盛り付け、香味野菜(生姜、みょうが、大葉)は上にトッピングします。
②ポン酢でいただきます。

さらにひと工夫!

・お好みで刻み海苔や亜麻仁油をかけるとより風味が増します。

・豚肉のゆで汁はおいしいスープに大変身。しっかりとあくを取った後、塩やしょうゆ、昆布粉などで味付けし、豆腐、きのこ、わかめなどを入れれば、お手軽に付合せのスープが完成です。

・ドリップが気になる場合、豚肉をキッチンペーパーの上に広げ、優しく挟むようにドリップをふき取ると、臭みをなくすポイントになります。

番外編:豚肉を茹でるコツ

㋐大人数分を茹でる場合

大人数分を茹でる場合は、水500ccに対して酒大さじ2、塩小さじ1の割合を目安にして、1人分ずつ茹でましょう。アクが出たら途中で取り除いてください。一気に全部茹でてしまうと、お湯の温度が下がり、肉が塊になってしまうなど、うまく茹でられない可能性につながります。

㋑片栗粉を使ってしっとり仕上げる方法

豚しゃぶをしっとり仕上げるもうひとつの方法に、片栗粉を使う方法があります。ドリップを拭き取った豚肉に片栗粉を薄くまぶしてから茹でると、しっとりなめらかに仕上がります。小さいお子様やご高齢の方にも食べやすくなります。

枝豆の簡単フライパン蒸し

枝豆は、大豆を若い時期に収穫した、タンパク質たっぷりの夏野菜です。緑色をしている分、葉酸(※ビタミン(総論))を一緒に摂取できます。

<用意する調理器具など>

フタ付きフライパン、計量スプーン(大さじ)、ザル、うちわ(もしくは扇風機)

<材料:1~2人分>

枝豆200g、塩小さじ1、水100cc

<作り方>

①枝豆に塩をふり、少し水を入れてもみ洗いします。枝豆の細かいうぶ毛をこすり落とします。
②①を流水で軽く流し、うぶ毛を流します。
③大きなフライパンに100ccの水を入れ(塩なし)、枝豆を平らにならします。
④フライパンにフタをし、中火にかけます。枝豆の良い香りが漂ったら3分半~5分で蒸し上がりです。(3分半でかため、5分で柔らかめに仕上がります。ただし枝豆の大きさ、状態、品種などで変わりますので、火加減、加熱時間はお好みで加減してください。)


⑤ザルにあげ、お好みで塩(分量外)を全体に軽くまぶします。
⑥なるべく平らにならした枝豆を、うちわ(もしくは扇風機)で急速に冷やします。素早く冷やすことで、色の鮮やかさが残りやすくなります。粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やします。水で冷やすと枝豆が水っぽくなり、旨味が逃げてしまいます。

枝豆が入る大きさのフライパンならば、水100ccで家族分1㎏まで蒸し上げることが可能です。ただし枝豆の状態や品種、火加減などで変わりますので、水の量を加減してください。

食べるときに、加熱したにんにくのみじん切りや、黒コショウ、エクストラバージンオリーブオイルなどをからませると、別の風味が楽しめます※2

夏野菜に含まれる食物繊維

腸内環境を整えるため、最低1日20gの摂取をお勧めしている食物繊維(※食事の基本)。なす中1本(約100g)で2.4g※3、きゅうり中1/2本(約50g)で約0.5g※3、トマト中1/3個で0.6g、オクラ(中4本)で食物繊維1.8gが摂取できます※3。枝豆は、さやを除いた食べられる部分100gで5.0gの食物繊維が摂れます。オクラのネバネバは水溶性食物繊維で、腸内環境に嬉しい夏野菜です。

良いタンパク質の代謝は他の栄養素とともに

生体内でタンパク質をタンパク質として有効活用するために、良質で適切な量の脂質、糖質を一緒に摂取することが大事です(※5大栄養素(概論))。また、タンパク質の代謝(※分子栄養学とは⑤)には必ずビタミンB群(※分子栄養学とは⑦-3※ビタミン(総論))が必要です。(※必ず摂る必要がある必須栄養素「タンパク質」)さらに、オメガ3脂肪酸や食物繊維(※食事の基本)を一緒に摂ることが腸内環境を整え(※分子栄養学的リーキーガット症候群対策①)、それが体調改善、栄養素吸収率アップへの可能性につながります。食事の際には、ぜひいろいろな種類のタンパク質を、さまざま食材とともにいただきましょう。よく噛むことは腸内環境を整えることにもつながります(※分子栄養学的リーキーガット症候群対策①)。

夏こそタンパク質!

今回は冷たいタンパク質の料理2品をご紹介しました。しかし冷たいものばかりではおなかが冷えてしまいます。ぜひ暖かな食事をメインに、よく噛んで、タンパク質とそれを補助してくれる栄養素をしっかり摂り、免疫のバランスを保ち、暑い夏を乗り切っていきましょう。食物繊維、カリウム、にんにくなどは、過敏性腸症候群、SIBO、腎臓病など病態によって摂り方が変わる場合があります。ぜひ食べられるものでお手軽に旬を楽しみましょう。

今回のお料理の栄養素

<夏野菜冷しゃぶ(1人分)の栄養素※4>

エネルギー: 413kcal、タンパク質:26.1g、脂質27.5g、糖質:8.0g、ナトリウム:62㎎、カリウム:1074㎎、カルシウム:93㎎、マグネシウム:91㎎、鉄※5 :1.6㎎、亜鉛:2.7㎎、βカロテン:1662μg、ビタミンA:146μg、ビタミンD:0.1μg、ビタミンK:89μg、ビタミンB1:1.09㎎、ビタミンB2:0.34㎎、ナイアシン:10.3㎎、ビタミンB6:0.63㎎、ビタミンB12:1.5μg、葉酸:149μg、パントテン酸:1.71㎎、ビタミンC:33㎎、食物繊維:6.8g(うち水溶性食物繊維1.2g)、食塩相当量:0.1g

<枝豆200gの栄養素(塩なし、可食部100g分)※4

エネルギー: 135kcal、タンパク質:11.7g、脂質6.2g、糖質:3.4g、ナトリウム:1㎎、カリウム:590㎎、カルシウム:58㎎、マグネシウム:62㎎、鉄※5 :2.7㎎、亜鉛:1.4㎎、βカロテン:260μg、ビタミンA:22μg、ビタミンD:0.0μg、ビタミンK:30μg、ビタミンB1:0.31㎎、ビタミンB2:0.15㎎、ナイアシン:1.6㎎、ビタミンB6:0.15㎎、ビタミンB12:0.0μg、葉酸:320μg、パントテン酸:0.53㎎、ビタミンC:27㎎、食物繊維:5.0g(うち水溶性食物繊維0.4g)、食塩相当量:0.0g

※1 食中毒菌予防のため、加熱料理は中心部が75℃で1分間以上加熱する必要があります。柔らかさを求めすぎる低温調理には気をつけましょう。
(参考:内閣府 食品安全委員会「肉を低温で安全においしく調理するコツをお教えします!」 https://www.fsc.go.jp/foodsafetyinfo_map/shokuhniku_teionchouri.html )

※2 保存は冷蔵庫に入れ、早めにお召し上がりください。

※3 『文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)準拠 八訂食品成分表2022 本表編.女子栄養大学出版部.(2022)』より算出

※4 「文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)準拠「栄養計算ソフト(栄養価計算 ヘルシーメーカー432 R2020)」を用いて算出

※5 食品に含まれる鉄は、動物性食品(肉や魚など)に含まれるヘム鉄と、植物性食品(大豆、野菜、海藻など)に含まれる非ヘム鉄に分類されています。それぞれ吸収率が異なり、ヘム鉄の方が吸収率が高く、鉄を摂る効率が良いことが知られています。

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