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2024.11.18 分子栄養学と運動「骨格筋が血糖値を下げる⁉ 運動効果と「GLUT4」の仕組みをわかりやすく解説」

食事

冬の旬を食べよう「冬野菜」

冬の旬を食べよう:お鍋でたっぷり食物繊維

寒い冬、お鍋が食卓にのぼる日も多いかと思います。皆さんのお気に入りのお鍋の主役は何でしょう。牡蠣や鶏肉、豆腐もいいですね。そして、それを彩る冬野菜たち。

お鍋は食物繊維をたっぷり手軽に摂ることのできる素晴らしい料理です。食物繊維(※食事の基本)が第6の栄養素として見直され、腸内環境を整える(※子供の栄養「腸は全身をコントロールする第2の脳」)主役として活躍しています。風邪に打ち勝ち、免疫細胞にしっかりと活躍してもらうためにも、旬の食物繊維をたっぷり食べて腸を整えていきましょう※1

冬に旬を迎える野菜、それが冬野菜

冬に旬を迎える野菜、それが冬野菜です。皆さんは、冬野菜というと何を思い浮かべますか?

白菜、大根、かぶ、ネギ、ほうれん草など。安くて甘くて美味しい季節です。大根や白菜はスープにすると、野菜の甘味でじんわりとした甘みが感じられ、寒い外から帰ってきた後の温かいお鍋は、何とも言えない幸福感をもたらしてくれます。ごっくりとアツアツの美味しいスープを飲むと、食道を温かいものが通って、じわ~っと胃に温かさが伝わっていく。冷えた身体に温かいとっておきのご馳走です。新鮮な野菜は、高血圧対策のカリウムもたっぷりです※1

冬の野菜は、食べると甘く感じます。なぜかというと、凍らないように細胞の中に糖分を蓄えるからだそうです※2。冬の暖かお鍋やおでんなどに、白菜や大根の自然な甘みがあると、最高ですね。

旬の野菜とSDGs: 地元を応援

このように、その時季にたくさん採れて、いちばん美味しくなる季節を「旬」といいます。旬の野菜は、育つ条件がいちばん揃った時季に採れる野菜ということもできます。旬を迎えた野菜は、味だけでなく、栄養価も高いため、ぜひその季節に食べたい食材です。また、暖房などのエネルギーを使わずに育てられることが多く、旬の野菜を選ぶだけで地元の食材を応援することにもつながり、自然とSDGs※3につながります。

お鍋にすると、野菜は洗ってざくっと切っただけで簡単に準備が済みますし、いろいろな野菜や具材の味が鍋の中で合わさって、何とも言えない出汁のハーモニーを奏でる最高傑作を生み出します。

ベースの出汁は、昆布か鶏か、それとも高級にあご出汁にしてみましょうか?それとも、豆乳鍋もいいですね。ぐつぐつと目の前で湯気の立つお鍋は、何にも変えられない至福のひとときです。

旬の野菜は素敵なごちそうです

旬の野菜は栄養価が高いといわれます。例えば、ほうれん草は夏採り、冬採りで葉っぱの部分のビタミンC含有量が違います。ほうれん草100g(生)では、夏は20㎎に対し、冬は60㎎です。そのため、食品成分表※4では、わざわざ「葉 夏採り」と「葉 冬採り」に分けて記載されています。

温室栽培のおかげで、いろんな野菜が1年中手に入るようになりましたが、四季のはっきりした日本で、その季節を思い出しながら食べる。旬は、それだけで素敵なごちそうです。

大根

100gあたりの食物繊維は、根(白い部分)皮つきで1.4g、葉は4.0gです。
アブラナ科の野菜で、大根おろしやおでんの定番でおなじみです。みそ汁や豚汁の具としても名脇役を務めます。今の時季は、生で食べても甘くてみずみずしいので、生を薄めにスライスして、青シソとたらこなどをのせて、お手軽な副菜としてもお勧めです。消化酵素も含まれ、食べものの消化を助けてくれます。大根おろしをメインに、タラや鶏肉、豚肉を入れたみぞれ鍋もさっぱりとしてお勧めです。
もし、葉っぱのついた大根に出会えたら、チャンスです。大根やかぶの葉には、β-カロテン(ビタミンAの前駆体)やビタミンK、カルシウムなどが豊富です。大根菜は、さっと茹でて細かく刻めば、シャキシャキ感のたまらない青物に大変身します。上の方の大きな葉は硬いことが多いので、身の方に近い葉っぱを使いましょう。茹でる時は、1~2分さっと、色が鮮やかな緑に変わったら食べごろです。みそ汁の上に、サラダのアクセントに大活躍です。もち麦ごはんに塩昆布と混ぜればシャキシャキ混ぜご飯の出来上がり。ごはんに混ぜることで糖質カットにも役立ちます。

白菜

100gあたりの食物繊維は1.3gです。 アブラナ科の野菜です。白菜のみそ汁、浅漬けなど、柚子の皮を少し削って飾るだけで芳醇な香り、冬らしい美味しさが加わります。豚肉と交互に重ねて蒸し焼きにすれば、豚肉と白菜のミルフィーユ鍋の出来上がりです。醤油と酢を1:1で合わせたものを二杯酢と呼びますが、そこに柚子果汁を少し混ぜれば、美味しい香りの加わった二杯酢に。シンプルに素材の味が楽しめます。白菜は100gあたりエネルギー13kcal、糖質1.9gと、とてもカロリーが低く、糖質も少ないのでたっぷり食べるのにお勧めです。スーパーで売っている、長さ30㎝くらい、身のつまった大きめの1/4カットで約700gくらいです。

長ネギ

100gあたりの食物繊維は2.5gです。
ネギは漢字で葱と書きます。ユリ科の野菜で、玉ねぎやニラ、にんにくの仲間です。ネギは一年中出回っていますが、寒い時期の今が旬といわれます。白くて太い長ネギ(根深ネギ)、緑の部分が細くてやわらかい葉ネギがあります。青い部分にはβ-カロテンが豊富に含まれています。白くて太い部分は、100gあたり糖質6.4gですが、緑の部分は糖質4.0gとなっています。少し太めの長ネギ1/2本で40gです。白い部分は甘くて美味しい分、糖質も高めなので、お鍋では、糖質の少ない春菊やしらたき、えのきだけ、豆腐なども一緒に食べて、糖質をコントロールするのがお勧めです。

皆さんも旬の食材を活用して美味しくSDGsに貢献し、ぜひ元気な毎日をお過ごしください。

※1 食物繊維・カリウム
病態によって摂り方が変わる場合があります。

※2
出典:農林水産省Webサイト https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1912/spe2_01.html

※3 SDGs(エスディージーズ)
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標です。

※4 食品成分表とは
食品成分表とは、正式には、日本食品標準成分表のことです。私たちが普段食べている食材の食べられる部分(可食部)に、栄養素がどのくらい入っているかが掲載されている本です。食材100g当たりのタンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分、エネルギー量(kcal)、食物繊維の量などの数値が載っています。

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